· 

試合のチケットは選手が仕入れる商品なんです

現在キックボクシングの試合のチケット販売は、興行を行う団体の直接販売もありますが、それだけで売り切ることは難しく、選手個人やジムでの販売も大きな比率を占めています。

このチケットの仕入れ方法は、お店が商品を仕入れて売るのと同じ方式です。

選手は自分自身が出場する試合のチケットを商品として応援に来てくださる方々に販売をします。



ファイトマネーが現金ではなくチケットという形も多いです。
興行団体や選手の契約方法によって変わりますが、全部チケット、半分チケット半分現金、全部現金など。

人気の選手や人気興行などでは現金でもらえる割合が多いかとは思います。

選手によっては自分のファイトマネー分チケットを売り切れなかったり、または割引で販売するので、その分ファイトマネーは減ってしまいます。



逆にチケットを売る力がある選手は団体から割引金額でチケットを購入し、それを販売することでプラスのお金を得られます。
※割引額は団体や販売枚数によって変わります。

選手やジムに割引額で卸すよりも興行主が直接チケットを売れれば、それが興行側によって一番利益率が高いので、人気のある音楽のライブや演劇などはアーティストや演者が直接売ることはあまり無いですよね?

でも、現状のキックボクシングはこの手売りという選手自らが販売する方式が一般的です。



興行側は観客動員を増やしたいので、このチケット仕入れをたくさんする選手やジムをなるべく使いたい。
だから、チケットを売る選手は優遇されて試合が決まりやすいという現状もあります。



この選手やジムが仕入れるチケットは委託品ではありません。
その日のその時間だけしか使えない商品です!
もちろん試合が終わってしまえばいくら割り引いたとしても売れることのない紙きれとなります。

「行けなくなってしまったから返券したい」という場合は、新たにチケットを買ってくれる人を探さなければそのチケットは無駄になってしまいます。
直前のキャンセルでは新たな購入者が見つかることは少なく、主催者は一度オーダーしたチケットの返券には応じないので、その場合は選手本人やジムが負担することになります。

この負担、お店を経営している方なら分かると思いますが、一つ売れての利益よりもキャンセルされた分で逆にマイナスになってしまうという場合もあります。

 

興行自体が中止になった場合は払い戻しになりますが、相手選手の都合で試合ができなくなった場合は返金に応じてくれる場合もありますが、ほとんどの場合は直接チケットを仕入れた選手やジムが負担することとなります。



選手はなるべくチケットを売りたい。

応援してくださる方が試合を観に来てくださることは本当に力になるし嬉しい。

チケットはキャンセル不可 と販売の時に伝えるのも難しいので、なかなか伝えていない選手が多いと思います。

仕組みを分かってくださる方もおられますが、知らない方などで気軽に返券を申し出てくるというケースも稀にあるようです。
「次の試合に行くから今回はキャンセル」って言われても、結局その今回の分は選手やジムが被ることになるんです。
ダメですと断われれば良いのですが、ハッキリ言って断りづらいです。
お世話になっている方や仲の良い方は特に。



試合前の選手がチケットの返券で代替えの方を探さなければならなかったり、返金手続きなどをする作業。

正直このキャンセルで嫌な思いや身銭を切っている選手はかなりいると思います。
これによって精神的に気持ちが下がったり、試合をするのが嫌になってしまうこともあります。

選手は必死に練習して、チケットの販売も考えて、試合に向けて頑張っています。

応援しているならば、行けなくなってしまった場合も考慮してチケットを購入していただきたいと思います。


チケットのシステム、返券分は選手が払わなくてはならないという現実があるということを知っていただきたく、書かせていただきました。