STRUGGLEでプロデビューし、今年の3月の試合で50戦を闘った松﨑公則。
お世辞にも身体能力がある選手ではありませんでした。
身体は硬く、反応は遅く、身体もリーチも普通、年齢はプロデビュー時で33歳と遅い。
しかし、獲得したチャンピオンベルトは4本。
失敗しても、苦手なことでも、逃げずに少しずつ努力を続けました。
努力し続けても結果が出ない時もあった。
しかし止めたり、諦めたりせずに続けた。
諦めていたら、チャンピオンベルトを獲ることも、リングで名前を覚えてもらうことなかったでしょう。
リングで観客を魅了するのがプロ。
凄いパフォーマンス、凄いKOを魅せることだけでなく、生き様、立ち向かう姿を見せるのもプロ。
松崎はリング上の強さというパフォーマンスだけでなく、生き様を魅せるプロキックボクサーでした。
その生き様は松﨑公則というひとりの人間の姿だったと思う。
プロデビュー時は数戦だけやって辞めようと思っていたという松﨑。
すぐに見なくなる、格闘技ファンの頭からいわゆる消えていった選手のはずでした。
しかし、リングに自身の生き様を見つけた松﨑は彷徨いながら闘い続け、終盤は終わりが分からなくなったようでしたが、自身の身体と気持ちに折り合いをつけることを決めてリングを降りました。
諦めず努力を続けたことで、そのまま終わる選手から、最後に引退セレモニーをしていただけるプロキックボクサーとなっていました。
松﨑の引退セレモニーを行なってくださるKNOCK OUT様、本当にありがとうございます。
9月23日、キックボクサー松﨑公則が最後のリングに立ちます。
応援してくださった皆さん、松崎に関わってくださった皆さん、本当にありがとうございました。