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ONEムエタイを楽しむポイントをまとめてみました

武尊選手の参戦、そして野杁正明選手の試合も決定し、U-NEXTでのライブ配信も定着して盛り上がってきているONE Championship!


ONEチャンピオンシップは基本的に3種類の大会を開催しています。
・ナンバー大会
メインの大会で、様々な都市の大きな会場で開催される。


・FIGHT NIGHT
日本時間土曜の午前からスタートするアメリカ時間に合わせた大会で、タイの首都バンコクのルンピニースタジアムで開催。


・ONE FRIDAY FIGHTS ※通称ONEルンピニー
ルンピニースタジアムでほぼ毎週金曜夜に開催される、ONEムエタイルール中心の大会。
タイのTVでゴールデンタイムの19:30から生放送されています。
外国人選手が多く出場する前半と、ONEムエタイの試合中心の後半の2部構成で試合が組まれています。


MMAルールやONEキックボクシングルールの試合もありますが、ONEムエタイルールの試合が多く、ムエタイ強豪のアグレッシブな激しい試合に加え日本人選手のチャレンジもあり、日本でもより注目されてきています!

 

このONE FRIDAY FIGHTSのU-NEXTライブ配信で何度か日本語解説を担当させていただき、もっとその魅力を知ってもらいたいと思い、ここではONEムエタイと通常のムエタイの違いを書いてみます。


まずグローブが、通常の6oz(=約170.1g)や8oz(=約226.8g)グローブよりも小さく軽い。


ONEオープンフィンガーグローブは全選手4oz(=約113.4g)。
※oz(オンス)は重さの単位で、1oz=約28.35g。
軽く小さいため通常のボクシンググローブよりもパンチは速くなり、ブロッキングなどのガードの隙間が大きくなり、パンチがガードをすり抜けてくることも多くなります。

さらにONEオープンフィンガーグローブは拳部分も通常のグローブより小さく少し硬いので、パンチをもらうと顔の裂傷もしやすく、当て方が悪いと打つ方も拳の怪我をしやすい。

 

ダメージとしてはボクシンググローブの方が脳が揺れやすいため衝撃はあるように思いますが、オープンフィンガーグローブの方が慣れていない分、脳が一瞬意識を遮断するような感じでのフラッシュダウンが多いです。

 

ちなみにONEキックボクシングルールでは、バンタム級以下が8oz(=約226.8g)、フェザー級以上が10oz(=約283.5g)のボクシンググローブを使っています。

こうして比べると重さが結構違いますね。


それから、レギュレーションの違い。
通常のムエタイでは、セコンドが全身にタイオイルとワセリンを塗って相手の攻撃を滑らせたりするのですが、ONEムエタイでは顔への少量のワセリンをリングに上がる直前とインターバル中にONEのオフィシャルスタッフがつけるのみ。

なので、ボディへの攻撃などもより滑らずに決まりやすいし、顔も切れやすい。

それに付随するのですが、蹴り足を掴まれた場合、指の出ているオープンフィンガーグローブなので掴みやすく、タイオイルなどもつけてないので掴まれた手から足を外しにくい。
いつもの感覚だと足が抜けないし、引っかかってしまうことで、より掴みからの攻撃が効果的になります。


そして、判定基準が通常のムエタイのポイントに加え、ノックアウトを求めるアグレッシブさが評価されやすく、各Rどちらかにポイントがつく10ポイントマストシステム。
※ムエタイは後半はほぼマストシステムになるものの、前半はポイントがつかないことも多くあります。

試合Rも基本5Rのムエタイに比べてONEムエタイは通常3R、タイトルマッチのみ5R。
ムエタイでは1、2Rで相手の動きを見たり、探って、3Rからポイントを考えて勝負に行くことが多いです。

また、試合をアグレッシブにしているのが35万バーツ(今日のレートで約149万円)のファイトボーナスで、KO勝利すると高確率でもらえます。
そのため、3RのONEムエタイだと相手の情報がない状態でも開始直後からKOを狙っていく選手も多くなり、ディフェンシブに闘うよりもアグレッシブな打ち合いの展開が多くなっています。

 

このボーナス狙いという部分が通常のムエタイと大きく変わります!
本来のムエタイは相手よりも僅差で良いからムエタイの技を使って上回って勝つということ、必要以上に相手にダメージを与えないという部分も多くあります。
これは月に何試合かすることもあるので、勝っている選手はあまり必要以上に相手を傷付けないというムエタイ界の暗黙の了解のようなもの。

しかし、このONEムエタイでは大金のボーナスがかかっているので、最後まで倒しに行くことを選手やセコンドも考えて打ち合う選手が多いです!

さらには良い内容の試合で勝ち進んで行くと10万ドル(今日のレートで約1,564万円)の本戦契約もあります!


そして、計量時にハイドレーションテスト(身体の水分量による尿酸値の測定)があること。
これにより直前にサウナなどで水分を無理矢理出すといういわゆる水抜きができず、ギリギリまで絞りきることができなくなります。

なので、ONEに出場する選手達は通常より契約体重を1階級上げて試合を行う選手が多いです。

 


試合後にも契約体重から5%以上増加してはいけない規則もあります。
契約体重が60kgの場合は、試合後の測定で63kgを上回ってはいけないということになります。

計量当日に水抜きして5kg落として、試合時には10kg以上リカバリーしたなんて選手もいますが、これはONEチャンピオンシップではどちらもNGとなります。


試合前に病院での身体検査や同じホテルに宿泊してのルールミーティング、写真撮影、インタビューなどの様々な公式行事もあります。



 

 

試合の前には、ムエタイの試合前に行われるワイクルーを赤コーナー、青コーナーに別れて集団で行うスケジュールもあります。

 

それらを含めていつもの試合と違う部分が多くあるので、初参戦は結構大変だったりします。

現在はこのONE FRIDAY FIGHTSで勝ち進んで契約して、FIGHT NIGHTやナンバー大会に参戦していくというルートが出来上がっています!

武尊選手や野杁選手はこのFRIDAY FIGHTSを飛び越えてナンバー大会に出場しているという形です。


以上、ONEムエタイを楽しむための知っておくと良いポイントでした!

ONE FRIDAY FIGHTSはU-NEXTで毎週金曜21:30スタートでライブ配信中です!
自分もちょこちょこ日本語解説を担当させていただいております。
ONE FRIDAY FIGHTSから強い選手も多く出てきています!
是非、チェックしてくださーい!